HRT(ホルモン補充療法)
HRT(ホルモン補充療法)は
更年期の症状や障害の治療のために、体内で不足してきた女性ホルモン(エストロゲン)を補充する療法です。
更年期の症状や障害の根本治療で、世界の先進国(欧米や北欧)を中心に更年期世代の女性に広く処方されています。もともと女性に体内にある女性ホルモンを使った治療法のため各国に長期データがあり、安全性と有効性が示されています。
日本でも医師の処方する薬として、飲み薬、貼り薬(貼付剤)、塗り薬(ジェル)が、健康保険が適用されていて、子宮の有る人と無い人、閉経後まもない人と閉経後何年もたつ人など、その人の状態によって HRTの使い方は変わるようです。
HRT(ホルモン補充療法)で
よく言われる癌のリスクですが、米国立衛生研究所(NIH)が2002年に発表したWHI中間報告の当初の解析では、HRTを5年以上投与した場合、乳がんのリスクが1.26倍になる(日本女性にあてはめると、1年間で1万人につき3人ぐらい乳がんが増える)といわれてきました。
このことは、当時の日本の新聞各紙でも大きく取り上げられ、一時期マスコミの「HRTを行うと乳がんになる」と言う行き過ぎた報道で、誤った知識が独り歩きしたためこのような解釈が生まれたのです。
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現在では
国際閉経学会などの国際的な専門機関の一致した見解は、閉経後早期から行うHRTはリスクよりも利益、利点が上回っている。また、「何年間までなら投与してよい」というように、期限をつける理由は見当たらない。とされています。
HRTと乳がんの発症リスクについては
5年以内の使用ではまったく見られず、7年以内でも明らかなリスクはないという解析結果が出ています。特にERT(エストロゲン単独投与によるホルモン補充療法)では、乳がんの発症は減るという報告も増えています。
※HRT(ホルモン補充療法)は子宮筋腫、高血圧、肝機能障害がある場合には、投与方法や投与量を工夫しながら行われていますが、乳がん、子宮がん、血栓症の治療薬を処方されている人、または脳卒中や心筋梗塞を起こしたことのある人などはHRTを行ってはいけないようです。
副作用として
使い始め、特に始めの1~2ヶ月では、胃のむかむか、胸の張り、おなかの張り、おりものの増加などの違和感を感じることがあり、HRTでエストロゲンと黄体ホルモンの併用で、月経のような出血があります。事実、私の家内も閉経後のHRT(ホルモン補充療法)により、月経が再開しました。
これは、エストロゲンのみを長期間投与すると、子宮内膜が増殖してがんにつながる恐れがあるため、黄体ホルモンを併用して月経のような出血を起こして子宮内膜をきれいにしているのです。
真偽のほどは定かではありませんが、有るお医者さんによれば、HRT(ホルモン補充療法)で出血するようであればまだ体は若く、妊娠出産も可能だそうです。
OC(低用量ピル)とHRT(ホルモン補充療法)は、どちらもエストロゲンとプロゲステロンという女性ホルモンを使った製剤ですが、OCのほうがHRTよりも5倍ほど多いエストロゲンを含んでいます。そのため、OCを使ってきた人も、閉経後50歳を過ぎた頃には、ホルモン量が過剰になる可能性が有るようです。徐々にHRTに移行していくことを医師に相談しましょう。
2013年当時、家内が処方されていた薬です。
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