プラセンタ【placenta】
プラセンタ【placenta】
プラセンタは動物の胎盤。また、植物の胎座の事ですが、ここで言うプラセンタとは、哺乳動物の胎盤の事です。胎盤は妊娠中に母親の胎内に作られる円盤状の臓器で、胎児と母親を結んで胎児の生命を維持し、成長を促しています。
プラセンタは、ホルモン分泌、免疫機能、解毒作用などと共に、組織の再生を助ける「細胞増殖因子」を産生する働きも認められ、難病の特効薬としても、今、最も大きな期待を集めている成分です。
胎盤の役割とは
母体から栄養や酸素等を取出し胎児に送る
豊富に含まれている成長因子(グロースファクタ)で、高速かつ正確に細胞分裂を起こす
成長因子
細胞分裂因子やグロースファクターとも呼ばれ、母体に充分な栄養がない場合でも栄養を送ることが出来る、驚異的な力を持っていると言われています。
今、話題のプラセンタとは、胎盤から抽出したその驚異的な力、有効成分(グロスファクターやその他の栄養素)を使用した化粧品やサプリメントの事です。
プラセンタの語源
プラセンタの語源は、ローマ人がパンがわりに食べていた、プラセンタと言う菓子が胎盤に似ていた事からのようです。
プラセンタの歴史
経験的に美容や健康に良いということも知られていて、紀元前 「医学の父」と呼ばれるヒポクラテスが治療に使っていたと言われ、また、歴代の美女、クレオパトラや楊貴妃、マリー・アントワネットが美容目的で使用していたとされています。が確たる史実は不明です。
史実としては唐時代の「本草拾遺」の中に記載されているのが最初のようで、美容ではなく医療目的で使われていたようです。
我が国では太平洋戦争末期、極度の食糧不足解消のため国家命令で「高度栄養剤」の開発を始め、胎盤から経口栄養剤が創られました。敗戦後には旧ソ連時代の医学者の研究成果に触発された日本の医学者が、胎盤埋没療法を傷兵に行い好結果を得た事から、各地で胎盤埋没療法を用いた治療が行われていたようです。
後により安全で投与しやすい注射薬が創られました。
現在では「再生医療」と言う言葉をよく聞きますが、上記の研究に携わっていた医学者は当時すでに「再生」と言う言葉を使っていたようです。
現在使用されているプラセンタは、この研究開発が基盤となって、医薬品や健康食品、化粧品などプラセンタエキスを含有す多種多様な製品が作られています。
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プラセンタ医療の効果と安全性
プラセンタは「新陳代謝を促進」「自律神経やホルモンなどのバランス調整」「免疫力や抵抗力を高める」など、幅広い効果が期待出来る事から、多くのスポーツ選手やハリウッドスター、ミュージシャンやアイドルなどの有名人がプラセンタを使用しています。
ただし、医薬品として厚生省に認可されているものなので、法律で医師による施術しか認められません。
注射薬(人に由来)
プラセンタ注射薬には即効性があり、2~3回の注射で効果が表れるようです。継続的に治療を続けることで身体が若々しく健康的に、止まっていた月経が再開することも珍しく無いなど、ホルモン補充療法のような効果が期待できます。しかも、ホルモン補充療法のような副作用は報告されていません。
ただし、プラセンタ注射薬は人間の胎盤から抽出したプラセンタ・エキスを使用するため、一定のリスクは避けれ無いとも言われています。
一つは直接体内に注入することから、急激な変化をもたらす可能性が高い事。もう一つは人間の胎盤から抽出したプラセンタは「種の壁」が無いため、他のプラセンタよりも感染しやすと言われています。そのため、プラセンタ医療を受けている方は、献血が制限されます。
※プラセンタ注射剤による感染事例は報告されていないが、輸血や臓器移植と同様にヒト由来の臓器から製造されていることから、理論的なリスクが否定できないため、念のための措置として、その使用者について問診により献血を制限する。(要は非加熱製剤を使った薬害エイズ事件のような事を避けるためです。)
ですが医薬品としてのプラセンタは昭和30年代より使用されており、現在まで、医療現場での重大な事故や副作用の報告はありません。ごく少数の注射部位の発赤や硬結などが報告されている位です。
プラセンタが「若返り」の妙薬とまでは言いませんが、確実に細胞を若返らせるのは事実のようで、医療現場でも認めています。現在、注射薬はラエンネックとメルスモンです。
最初は週に1回を1~2ヶ月継続し、その後の維持療法としてはは1~2週間に1回程度が効果的と言われ、皮下注射や筋肉注射での有効性と安全性が実証されています。
※美容目的で使用されている静脈注射や点滴に関しては疑問を呈する医療関係者もいるようです。
細胞を若返らせるのは勿論ですが、 他にも、各種アレルギー(アトピー、花粉症)むち打ち症、ぎっくり腰、筋肉痛などにも効果があると言われ、これらの事から「万能薬」と言う医療従事者もいるようです。
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これらは医薬品ですのでどの製品でも信頼がおけますが、あくまでも治療に対する保険の適応で、美容・健康と言うアンチエイジング目的では保険の適応になりません。
即効性の有る注射薬(人に由来)ですが、今だに偏見を持っている医療従事者がいるのも確かで、美容・健康目的では保険の適応外と言う事も有り取り扱い医院がまだ少なく、現状では美容クリニックなどが主に扱っています。ただし、施術代は高くなります。
内服薬(豚)
ブタの胎盤を原料とした医薬品またはサプリメントで、毎日服用できます。なので、病院に通う必要も無く健康増進、アンチエイジング(抗老化)、美容などが目的の方には最適かもしれません。好みで錠剤やカプセル、ドリンクなどから選べます。
外用薬(豚)
通常の湿布のように直接肌に使用するゲル状薬
医療用経口プラセンタ
医療用の経口プラセンタは医療目的のため、厳しい制限の中で製造されています。なので、同じ豚プラセンタでも美容・健康目的では健康食品(サプリメント)を超えるとは言い切れません。
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2005 年1月7日付『読売新聞』夕刊「胎盤エキスの美容注射で肝障害 メーカーが副作用報告」について
血液やホルモンは完全に除去し、121℃で20分間加熱する事によりウイルス等の残存は考えられない。また、感染症にかかっている方の胎盤は使用しないので薬害エイズのような事はありえません。
長年のプラセンタ注射薬の使用経緯で副作用の報告は無く、少数の注射部位の発赤や硬結などが報告されているのみです。唯一つだけ、2005 年1月7日付『読売新聞』夕刊で「胎盤エキスの美容注射で肝障害 メーカーが副作用報告」とあります。
その後、プラセンタ医療に関わる医療従事者がこの記事に対する詳細なレポートを発表しています。
この記事で報道された患者は、毎月2回、ラエンネックの筋注を5ヶ月に渡って受け、同時に3年間もにきび治療の目的でミノマイシン(抗生物質)を連日内服していた。
医学的な常識では3年間も抗生物質を長期投与することは通常考えられず、過去のミノマイシンに対する副作用報告例から、この患者の薬剤性肝炎は、抗生物質の長期投与による肝毒性の可能性のほうが遥かに高いと考えられる。
他の医療機関でも似たような症例が有り、こちらでも当初はプラセンタが疑われたが、本人が他のサプリメントを以前から服用していたのを明かしたため、大学病院ではそれらに関する検査を行い、他のサプリメント(田七人参、マルチビタミン、ウルトラ何々)が原因で有ることが判明した。
現在では普通に行われるプラセンタ医療も当時は周囲の医療従事者から白い目で見られるほど「ヒト胎盤エキス(プラセンタ)」対する偏見が強かった事。
その偏見のためか、2005 年1月7日付『読売新聞』夕刊で「胎盤エキスの美容注射で肝障害 メーカーが副作用報告」については原因の調査が不十分であったと疑問を呈する。
※要約すると以上です。
そのマスコミが現在ではプラセンタ医療、プラセンタ・サプリメントともてはやしています。