他にも有る危険な疾患
てんかんに限らず
運転に影響を与える病気は少なくないようです。発作・急病を伴う交通事故の発生件数は例年200〜300件前後でで推移し、交通事故全体からの比率ではそう多くありません。ただし、発作や急病を伴わない事故の約6倍と言う死亡事故率は見過ごされません。発作や急病の発症が重大な事故を招くと言う結果になっています。
また、運転中に意識を失う恐れのある発作のある病気は「てんかん」には限りません。突然の居眠りなどを含めて次のような病気による事故のリスクがあります。
健康に起因する交通事故
健康に起因する疾病が原因の交通事故は3割が死亡と言う結果になっています。
疾病と死亡率
- 脳に起因する疾病31%
- 心臓に起因する疾病27%
- 失神による意識の喪失7%
※てんかんは脳に起因する疾病で失神も伴います。
年代別突然死
- 30代 17%
- 40代 26%
- 50代 36%
- 60代 17%
心臓疾患が6割で脳出血が4割と循環器系の疾病が殆どで、中高年に多く運転による緊張からくる血圧、心拍数の増加が主な原因のようです。
※疾病による過去の重大事故には、てんかん・糖尿病・心臓病・脳出血・インフルエンザ・睡眠時無呼吸症候群(SAS)などが有ります。
突然死の内訳
心臓
- 心室性不整脈
- 心筋梗塞
その他
- 大動脈瘤破裂
- 肺塞栓
脳
- 脳出血
- 脳血栓
- くも膜下出血
睡眠時無呼吸症候群(SAS)
- 突然死を誘発
突然の居眠りなどで重大事故が多い
睡眠時無呼吸症候群(SAS)
最近にわかに注目され、21世紀の国民病と言われているSASと言われる睡眠時無呼吸症候群はメタボリックシンドロームの50%、肥満者では66%も入ると言われています。また、怖いのは自分が睡眠時無呼吸症候群(SAS)だと気付いていない人が60%も入ることです。
症状
睡眠中に無呼吸を繰り返す事で熟睡できず、その結果、日中に眠くなる、熟睡感がないなどの種々の症状を呈する疾患です。高血圧や心疾患などの生活習慣病とも関わりがあるとされています。
※一般的な症状としては、ひと晩(約7時間と想定)の睡眠中に10秒以上の呼吸停止(無呼吸)を30回以上、あるいは1時間当たりに5回以上起こす症状。
危険因子
生活習慣
栄養過多
過剰飲酒
運動不足
禁煙
ストレスなど
生活習慣病
糖尿病
高血圧
高脂血症
心房細動
他の心疾患など
これらの危険因子による病変には、前触れのある物から本人に自覚のない無症状の病変まで多様で、高血圧が多く、生活習慣病に起因する病気を把握、また、想定される病変を理解していない事が大きな問題と言われています。